在沖縄米国海兵隊員による
女子中学生への性暴力に抗議する声明
2008年2月21日up

2008年2月10日、沖縄県北谷町で、在沖縄米海兵隊キャンプ・コートニー所属の2曹兵士による女子中学生への性暴力事件が起こりました。

わたしたち日本バプテスト連盟性差別問題特別委員会は、この事件に対して大いなる憂いをもって抗議致します。被害少女の受けた恐怖と苦痛、これからの歩みを思う時、心が痛みます。

沖縄をはじめ米軍基地・自衛隊基地を持つ町において、平和憲法は実現していません。そしてそのことこそが、今回のような事件が繰り返される構造的原因なのです。日米安全保障条約は、武力保持を正当化します。武力・軍隊がある限り、周辺住民への暴力はなくなりません。なぜなら軍隊という組織は、兵隊に殺人という洗脳教育を行い実行させるための暴力組織だからです。さらに性差別を温存している社会の中で、軍隊は性暴力を行なってきました。

軍隊は住民の安全を保障しません。むしろ軍隊自身を守るために住民を監視し抑圧します。そのことを沖縄戦や日本軍強制性奴隷などの歴史から学ぶことができます。わたしたちはあらゆる軍隊の撤退を望みます。日本政府によるいわゆる「河野談話」や、米国下院のいわゆる「慰安婦決議」に関して、わたしたちはある一定の肯定的評価をしています。だからこそ、わたしたちは今回の事件に関して日米両政府に強く抗議します。これまで取り上げられなかった女性たちへの人権侵害や住民の平和を脅かす出来事が事件の背後にあることはご承知の通りです。人間の命を軽視し、日米両国の体面ばかりを重んじる「綱紀粛正」や「米軍再編・基地移転」などの施策は根本的な解決になり得ないことは明らかです。

非暴力をむねとするキリスト者として、平和と命を脅かすことに断固反対します。わたしたちは、力関係による支配と被支配・差別と被差別の関係からの解放を望み、武力・暴力によらない平和づくりを求めます。

アメリカ・日本両政府への要求

1.被害者に対する賠償を誠実に行うこと。

2.事件の公正な捜査と被疑者に対する厳罰。

3.住民が安心して暮らせる環境作りのために、為政者はその責務を果たすこと。

『これらすべてに加えて、愛を身に着けなさい。愛は、すべてを完成させるきずなです。』 (コロサイ3:14)   

2008年2月18

日本バプテスト連盟 性差別問題特別委員会